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京都御所西の町家


ぼくたちが設計を行い監理を進めてきた「京都御所西の町家」がついに竣工をむかえた。

京都御所から一区画西に入った古い町家が多く残る界隈にこの建築は建っている。

前面道路に接する建物の軒下を通らなければアクセスできないほどの究極の旗竿敷地であり、もちろん再建築不可の敷地だ。 しかも周囲には建物が密集しており、南側に隣棟間隔がほぼゼロで3階建てのオフィスビルがそびえ立ち日照を遮っている。 この難題を抱えた町家をリノベーションして豊かな環境をそなえた住空間として再生させようというプロジェクトである。

想定外の予期せぬトラブルにも多々見舞われる難題の多いプロジェクトでもあった。 お施主さんとの二人三脚により難題を乗り越え、この日をむかえられたことに安堵し喜びを感じている。

密集する周囲の建物に囲まれ、日も当たらず風も通らず、長年ひっそりと息をひそめていた町家に、南東方向と南西方向にかろうじて存在する環境の経路を建築内に引き込み、建築内に設けたヴォイドの連環を通して、日照、通風、人の流れといった循環を生み出すことで、小さいながらも豊かな環境をそなえた町家として再生させた。

お施主さんは、昨日、結婚式をあげられ、この町家で新生活が始まる。

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